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2020年3月13日

「内定取り消しをしないで」 政府が経済8団体に緊急要請

 政府は13日、内閣官房、文部科学、厚生労働、経済産業の4省庁が共同で、経済団体に対して2021年3月卒業生に対する企業説明会の開催や20年3月卒業生に対する内定取り消しをしないよう「特段の配慮」を緊急要請した。新型コロナウイルス感染拡大症への対応で、合同企業説明会など大規模イベントの中止などを要請した結果、就活生らに不安が広がっているため。

 企業説明会については、「全国一律の自粛要請を行うものではない」として、感染の広がりや会場の状況などを踏まえて「開催の必要性を改めて検討してほしい」と要請。開催の場合は感染拡大防止に努める一方で、出席できなかった学生の採用選考を控えるようなことはしないよう求めた。また、6月1日の採用選考活動を順守する一方で、インターネットなど多様な通信手段を活用した面接や試験を実施するよう要請した。

 一方、4月から入社予定の学生については、採用内定の取り消し防止のために、あらゆる手段を講じること。やむをえない場合は、別の就職先の確保など最大限の努力を払うこと。賠償請求が発生した場合は誠意をもって臨むこと、などを求めた。

 就活生に対する企業説明会は、大手企業を中心にウェブ面接などが急増しており、大勢の学生を集める説明はほとんどの企業が自粛している。感染拡大防止に向けた政府の要請に従ったものだが、「今になって"開催の必要性を検討してくれ"と言われても、万一のことを考えると踏み切れない」(大手商社幹部)と企業側は頭を抱えている。

 要請先は経団連、経済同友会、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会など8団体。


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