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2020年8月 6日

21年大卒求人倍率は1.53倍 コロナ禍で低下、リクルートワークス調査

 リクルートワークス研究所は6日、2021年大卒求人倍率調査を発表した。それによると、6月調査時点の求人倍率は1.53倍(前年比0.5ポイント減)と2年連続で低下。2月調査時点の1.72倍から0.19ポイント低下した。新型コロナウイルスの感染拡大により、企業が採用計画を縮小している様子が明らかになった。

 近年の求人倍率はリーマン・ショックの影響が出る前の08、09年が2.14倍の最高だったが、その後の不況で3年連続の低下。12年の1.23倍を底に労働力不足を背景として7年連続で上昇したが、20年に8年ぶりに低下した。今年の動向が注目されていたが、新型コロナという不測要因で大きく低下した格好だ。同社によると、1.53倍という水準はバブル崩壊後やリーマン・ショック当時より上回っているが、長年続いた学生側の「売り手市場」に変化が生じていることは間違いなさそうだ。

 企業規模別では、従業員300人未満の中小企業は学生の希望者が増えたこともあって3.40倍(同5.22ポイント減)と大幅低下し、300~999人の企業も0.86倍(同0.36ポイント減)に低下。これに対して1000~4999人の大企業は1.14倍(同0.06ポイント増)、5000人以上でも0.60倍(同0.18ポイント増)と上昇している。

 業種別では、倍率の高い流通業が7.28倍(同3.76ポイント減)、建設業も6.01倍(同0.20ポイント減)といずれも低下し、流通業の大幅低下が目立った。

 調査は3月、企業は従業員5人以上の7200社を対象に実施、4481社から回答を得たが、6月に追跡調査して3733社から再回答を得た。大学生・大学院生は3月に実施し、リクナビ会員2479人から回答を得た。調査を基に、企業の求人数は68.3万人(同12.2万人減)、学生の就職希望数は44.7万人(同0.7万人増)と推計、感染拡大が求人数の大幅減少を招いていることをうかがわせた。

8月の大卒内定率は81.2%、リクルートキャリア

 リクルートキャリアが6日発表した8月1日時点の大卒就職内定率は81.2%となり、前月比8.0ポイント増、前年同月比10.0ポイント減となった。新型コロナウイルスの感染拡大で、企業の採用活動が後ろ倒しとなっているためとみられる。

 文理別では文系が76.9%(前年同月比12.9ポイント減)、理系が90.8%(同3.5ポイント減)、男女別では男子が83.1%(同8.5ポイント減)、女子が79.0%(同11.6ポイント減)となり、文系と女子の内定の遅れが目立つ。調査は「リクナビ」会員1315人から回答を得た。

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