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2020年11月16日

「解雇の金銭救済」で議論再開、厚労省の有識者検討会 約1年ぶり、出口は見えず

 厚生労働省の有識者会議「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」は16日、第10回会合を開き、これまでの議論を整理した=写真。前回開催した昨年12月から約1年ぶりの再開で、同検討会設置からは約2年半が経過している。「裁判の無効判決とは別に、労働者側が金銭救済を求め、企業側が応じれば労働契約を終える裁判外の解決」を中心に、その際の法技術的な整備のあり方などを検討しているが、いまだ出口は見えていない。

n20211116.jpg この課題は、日本の紛争解決システムが不透明との指摘があることから、2003年以降、労働政策審議会などの場で断続的に議論されてきた。結論に至らない中、政府の規制改革会議(当時)が2015年3月、「労使双方が納得する雇用終了の在り方」と題する意見書を提出。また、政府は「日本再興戦略改訂2015」で、透明・公正でグローバルにも通用する解決システムの構築に向けて議論することを閣議決定した。

 これを受けて、15年10月に厚労省は有識者会議「透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会」(労働紛争解決検討会)を設置。委員は有識者、使用者側、労働者側、紛争処理に携わる弁護士らで、計20回にわたる議論を経て17年5月に報告書を取りまとめた。本来であれば、この検討会の報告書を「たたき台」に労政審・労働条件分科会に諮ることになるが、「選択肢として考え得る」案について法技術的な専門家の検討が必要とした報告書の一文や、政府の「新しい経済政策パッケージ」(17年12月)に記された「法技術的な論点の専門的検討に着手」を踏まえ、同分科会が検討会設置を厚労省に要請。こうして18年6月に発足したのが、この有識者検討会だ。

 約1年ぶりとなったこの日の会合では...


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