２０２１年春闘は１７日、大手企業の集中回答日を迎えた。メーカーではトヨタ自動車が労組要求通りの月額９２００円で回答し、昨年の８６００円を上回ったほか、年間一時金も６．０カ月の満額回答となった。ただ、トヨタの回答は例外的で、大手企業全体をみると、新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化で賃上げの勢いは弱く、連合が目標にしてきた２％台の賃上げは厳しい情勢となっている。
トヨタ以外では日産が労組要求通りの月７０００円、一時金５．０カ月の満額回答。ホンダは一時金の５．３カ月を満額回答した。トヨタは労組が要求段階からベアの有無を示しておらず、ホンダ、マツダではベア要求自体を８年ぶりに見送っている。
一方、電機では日立製作所がベア１２００円と年間一時金５．７５カ月＋３万円を回答。三菱電機はベア１０００円と年間一時金５．７カ月、パナソニックもベア１０００円で一時金は「業績連動」とする回答だった。電機大手の労組は昨年と同じベア２０００円を要求してきたが、経営側の回答には厳しさが目立った。
