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2021年3月31日

法改正の影響が一巡、労働者数と売上高とも大幅増 厚労省の19年度派遣事業報告

 厚生労働省が31日発表した2019年度労働者派遣事業報告書(3万8040事業所、速報)によると、派遣労働者数は183万5925人(前年度比9.1%増)と大きく増えた。内訳は無期派遣が60万4215人(同18.3%増)、有期派遣が123万1710人(同5.1%増)、登録者数は618万7007人(同29.0%増)だった。

 18年度は労働者派遣法の改正により、9月から「特定派遣」の経過措置が撤廃されて許可制に一本化されたこともあり、事業所数や売上高は減少したが、19年度はその影響が一巡し、売上高は2割以上伸びた。20年2月から本格化した新型コロナウイルスの感染拡大による影響はまだほとんど出ていないとみられる。

 派遣先件数は69万7832件(同1.2%増)、売上高は7兆8689億円(同23.3%増)となり、17、18年度の2年連続減少から、一転、3年ぶりの増加に転じた。

 派遣料金(8時間換算)は平均2万3629円(同2.5%増)で、内訳は無期派遣が2万4776円(同0.5%増)、有期派遣が1万9426円(同2.8%増)。派遣労働者の賃金(同)も平均1万5234円(同2.3%増)で、同様に無期が1万5856円(同0.5%増)、有期が1万2828円(同1.8%増)で、どちらも伸びた。

 一方、紹介予定派遣で派遣された労働者は3万1233人(同15.1%減)で、そのうち派遣先に雇用されたのは約半数の1万6323人(同15.0%減)。いずれも大きく減少しており、制度の形がい化をうかがわせる結果となっている。

 改正法で施行された雇用安定措置については、対象労働者109万654人(同11.7%減)のうち、第1号(派遣先への直接雇用)を講じた人数は7万2840人(同2.6%減)で実際に雇用されたのは3万1602人(同25.1%減)。第2号(別の派遣先)は55万1724人(同29.9%増)、第3号(派遣元での無期雇用)は2万1976人(同10.7%増)、その他は4万9627人(同7.8%増)となり、第2号措置が半数の50.6%を占めた。

20年6月の派遣労働者は約156万人

 一方、厚労省が同日発表した2020年6月1日時点の労働者派遣事業報告(速報)によると、派遣事業所は4万1967事業所(前年比10.1%増)、派遣労働者数は156万2090人(同0.2%減)だった。そのうち、無期雇用が61万683人(同10.9%増)、有期雇用が95万1407人(同6.3%減)。

 法改正によって派遣元が雇用安定措置を講じたことから、無期雇用が1割伸びたが、感染対策の第1次緊急事態宣言などによって有期雇用にある程度の影響が及んだ可能性はある。

 このうち、製造派遣は31万1660人(同4.4%減)で、内訳は無期雇用が11万5730人(同19.1%増)、有期雇用が19万5930人(同14.4%減)。日雇い派遣は3万2502人(同4.8%増)だった。


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