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2021年4月27日

22年大卒求人倍率は1.50倍 コロナ影響は限定的、ワークス研調査

 リクルートワークス研究所が27日発表した22年3月卒の大卒求人倍率(大学院卒を含む)は1.50倍(前年6月調査比0.03ポイント減)となった。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済停滞で、倍率は10年ぶりに0.3ポイントと大幅に下落したが、今年はコロナ禍の影響は限定的で、微減となる見通しだ。

 企業の求人総数が67.6万人(同0.7万人減)の一方、就職希望者数は45.0万人(同0.3万人増)とどちらも大きな変動はみられないが、企業規模別にみると、従業員300人未満の中小企業が5.28倍(同1.88ポイント増)なのに対して、同5000人以上の大企業は0.41倍(同0.19ポイント減)となり、コロナ禍で学生の「安定志向」が強まった結果、大企業は例年になく「狭き門」となっている。

 業種別では「流通業」の8.12倍(同0.84ポイント増)、「建設業」の6.40倍(同0.39ポイント増)が飛び抜けて高いが、「製造業」は1.71倍(同0.11ポイント増)程度。逆に、「サービス・情報業」は0.31倍(同0.03ポイント減)、「金融業」も0.21倍(同0.07ポイント減)と前年をさらに下回っている。

 同社によると、新型コロナの影響を受けた企業のうち、約7割は新卒採用数を変更しておらず、長期的な視点で採用活動に臨んでいることがわかった。また、医療・福祉、情報通信など、専門性が要求される業種で「ジョブ型」採用を実施している企業の多いこともわかった。

 調査は、対企業が1月30日~3月4日に、全国の従業員5人以上の4459社の回答を集計。対学生は2月1日~4日に「リクナビ」会員の大学生と大学院生1674人の回答を集計。それぞれから、全体数を推計した。

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