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2021年7月30日

6月の有効求人倍率、1.13倍に上昇

n210730_2.png 厚生労働省が30日発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.04ポイント上昇の1.13倍となり、3カ月ぶりに上昇した。求人倍率は昨年9、10月の1.04倍を底に徐々に上昇してきたが、年明け1月以降は1.09~1.10倍と一進一退の動きで推移していた。ただ、7月以降も上昇基調が続くかどうかは不透明だ。

 有効求人数は同0.0%、有効求職者数は同3.6%減となった。求職者の減少はコロナワクチンの接種で求職活動を一時中断した人が多かったためと推測され、それが求人倍率の上昇につながった側面がありそうだ。都道府県別(就業地別)では前月と同様に福井県の1.88倍が最高で、最低は沖縄県の0.88倍。新型コロナウイルスの感染者が多い東京都、大阪府など4都府県で1倍を下回っている。

 先行指標となる新規求人倍率は2.08倍で前月比0.01ポイント下回った。新規求人数(原数値)は前年同月比5.4%増となり、3カ月連続で前年を上回った。

 業種別では製造業の同39.3%増、その他サービス業の同15.6%増、教育・学習支援業の同13.1%増などが大きく増えた一方、宿泊・飲食サービス業は同10.6%減と新型コロナの影響を受け続けている。

 また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.04ポイント上昇の0.94倍と上昇が続いている。

6月完全失業率は2.9%、休業者は200万人割る

 総務省が30日発表した6月の就業者数は6692万人で、前年同月比22万人増、3カ月連続の増加となった。完全失業者は206万人と同11万人の増加で、17カ月連続の増加となった。

 この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント低下の2.9%となった。5月に昨年12月以来、5カ月ぶりの3%台に上昇したが、再び2%台に下がった。男女別では男性が3.1%、女性が2.7%で、男性は前月から0.1ポイント低下し、女性は同じだった。

 形態別雇用者数では役員を除く雇用者5652万人のうち、正社員は3576万人で前年同月より15万人増え、非正規社員も2075万人で同31万人増えた。正規は13カ連続、非正規は3カ月連続の増加。非正規率は前月と同じ36.7%だった。

 非正規の内訳はパートが1034万人(同47万人増)、アルバイトが431万人(同1万人増)、契約社員が277万人(同2万人増)と増えた一方、派遣社員は139万人(同3万人減)、嘱託社員が114万人(同8万人減)と減少した。

 また、6月の休業者は182万人で前月比30万人減、前年同月比54万人減となり、4カ月連続で前年を下回った。

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