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2021年9月 1日

9年ぶり離職率が入職率上回る 厚労省の20年雇用動向調査

 厚生労働省が31日発表した2020年雇用動向調査によると、退職や転職による離職者数は約727万人で、就職した入職者数の約710万人を9年ぶりに上回った。離職者が就労者全体に占める比率の離職率は14.2%で、入職者の比率の入職率は13.9%。離職率は1996年、入職率も98年以来の低水準で、新型コロナウイルスの影響で労働移動が停滞したことがわかった。

 就業形態別では、正社員が中心の一般労働者は入職者が約391万人、離職者が約393万人でほとんど差がなかった一方、パートタイム労働者は入職者が約319万人、離職者が約334万人と離職者が15万人上回った。離職時に転職をしなかった、できなかった人が一定数いたことを示している。

 産業別では、「宿泊・飲食サービス業」が例年と同様に入職・離職とも最も高く、入職率の26.3%に対して離職率は26.9%。次いで「その他サービス業」の各17.5%、19.3%で、いずれも離職率の方が高く、コロナ禍の影響を映し出している。

 調査は5人以上の常用労働者のいる事業所1万5184カ所を抽出し、年2回実施。各9000カ所前後から有効回答を得た。また、2回を合計した入職者は5万2481人、離職者は6万3795人。

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