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2022年5月 9日

3月現金給与、実質マイナス 物価上昇が本格化、毎勤速報

 厚生労働省が9日発表した毎月勤労統計の3月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたりの現金給与総額は28万6567円(前年同月比1.2%増)で3カ月連続のプラスだった。昨年3月以来9カ月連続のプラスが続き、12月に同0.4%減のマイナスとなったが、年明け以降は再びプラスが続いている。

 しかし、物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(2020年=100)は88.8(同0.2%減)で、2月の0.0%をはさんで3カ月ぶりのマイナスとなった。エネルギー価格などの上昇による物価上昇が本格化する一方で、春闘の賃金がまだ反映されていないためとみられるが、賃上げの勢いが弱いとマイナスが続く可能性もある。

 就労形態別の現金給与額は、正社員が中心の一般労働者が37万2765円(同1.5%増)、パートタイム労働者は9万7309円(同0.2%減)となった。残業代などの所定外給与は一般労働者が2万6223円(同2.7%増)、パート労働者も2505円(同1.7%増)と増えている。

 産業別の伸び率では、「金融・保険」が同11.1%増で最も高く、「鉱業・採石」の同9.9%増、「建設」の同5.8%増、「飲食サービス」の同5.4%増などで高い伸び。一方、「卸・小売」は同1.5%減、「製造業」が同1.1%減の減少となった。

 月間総実労働時間は136.0時間(同1.6%減)で、2カ月連続の減少。常用雇用者は5049.0万人(同0.4%増)で、パートタイム比率は31.29%(同0.09ポイント増)だった。

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