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2022年6月14日

新会長に林氏選出、副会長は3氏留任 人材協の22年度総会

n220614.JPG ホワイトカラーを中心とした民間職業紹介の事業者団体・日本人材紹介事業協会は14日、東京都千代田区の会場とオンライン参加の併用で2022年度定時総会を開いた。任期満了に伴う役員改選で、渡部昭彦会長(ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス社長)の後任に林徹郎氏(ワークポート副社長)=写真=を選出、副会長は岩下順二郎氏(リクルート常務執行役員)ら3人とも留任した。4期8年に渡って会長を務めた渡部氏は監事に就いた。

 林氏は「渡部氏は不安定要素が多々ある中から、業界を順調に回復に導いてくれた」と称え、「今後は業界の信用と信頼を一層高めるよう尽力したい」と決意を述べた。

 22年度事業は、アフター・コロナに求められる人材紹介事業と10月施行の改正職業安定法などを念頭に、(1)事業基盤確立のためのベースとなる教育研修、情報提供など支援機能の強化(2)DXプロジェクト・フェーズⅡの展開によるホームページ、会員情報システムの高度化(3)ビジネスモデルが共通する会員同士による課題検討や相互交流の積極展開(4)人材紹介コンサルタント資格制度による取得者拡大――などの推進を決めた。

n220614_2.JPG このほか、厚生労働省の委託事業である「医療・介護・保育分野における職業紹介事業の適正化」に関する事業運営の拡充を盛り込んだ。前年度からの継続事業で、手数料を含む適正な基準を構築した「認定制度」の運営が軸となる。これに加えて本年度は、これまで他団体が受託していた「職業紹介優良事業者認定制度」の見直し・再構築も手掛ける。

 総会後、日本総合研究所の山田久副理事長が「わが国労働市場の展望と人材ビジネスへの期待」と題して講演。山田氏はコロナとロシアによるウクライナ侵攻によって、世界経済が「供給制約」と「コスト高経済」へ体質転換したと指摘し、労働市場もミスマッチが深刻化していると分析。

 人件費削減による低価格戦略は限界に来ており、今後は賃金引き上げ・適正価格実現への経営転換が不可欠であり、シニア・女性人材などの潜在力を引き出す人的資源の活用の重要性を強調し、人材紹介業界への期待感をにじませた。

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