ニュース記事一覧へ

2022年8月23日

8割以上が賃上げしたものの 「3%未満」が7割、東商リサーチ

 東京商工リサーチが23日発表した2022年度賃上げ調査によると、賃上げを実施した(予定を含む)企業は82.5%の高率だったが、賃上げ幅は3%未満の企業が7割を占める低い水準にとどまっていることがわかった。

 賃上げをした企業は6204社中5120社で、前年度の70.4%から大幅に増え、「官製春闘」当時の17年度の82.7%に次ぐ水準だった。ただ、企業規模別では大企業の88.1%に比べ、中小企業は81.5%と6.6ポイントの差がついた。産業別では製造業が87.3%で最も高く、農林漁業・鉱業が60.7%で最低だった。

 ただ、実施企業2832社の賃上げ率は「1%以上~2%未満」が33.4%で最も多く、「2%以上~3%未満」が31.9%。1%未満も含めると3%未満が69.8%の多数を占めた。総務省の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は4月から4カ月連続で2%を上回っており、今秋以降にも食品などの断続的な値上げが見込まれるだけに、実質賃金がプラスになるかどうか極めて不透明な情勢だ。

PAGETOP