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2022年12月10日

改正難病法・小慢法が成立 見直し大幅遅れ、参院本会議

 難病患者の医療費助成の前倒しや「登録者証」の発行などを盛り込んだ難病法・児童福祉法(小慢法)の改正案が臨時国会最終日の10日、参院本会議で可決、成立した。同改正法は福祉関連5法を一括した「束ね法案」として審議されてきた。助成の前倒しは2023年10月、登録者証は24年4月の運用開始を目指す。

 難病・小慢患者への医療費助成は現在、患者が申請した日以降を対象としているが、改正法では原則1カ月を上限(緊急時は同3カ月)に、重症と診断された日にさかのぼって助成対象とし、患者の負担を軽減する。

 登録者証は各種福祉・就労支援の円滑利用や、国の難病データベースへの登録などに向けて発行するもので、医療費助成を受けていない軽症者も対象にする。ただ、マイナンバーとの連携を原則としており、具体的な発行手順などは厚生労働省令などで決める。

 同法は15年の施行から5年をめどに見直す予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大などで審議が大幅に遅れ、22年までずれ込んだ。

 同法のほか、改正障害者雇用促進法では現在、企業などの法定雇用率の算定対象となっていない「週10時間以上~20時間未満」の短時間就労者に範囲を広げ、雇用1人について0.5人にカウントする。対象は身体、知的障害者は重度に限定するが、精神障害者は限定しない。

 また、改正障害者総合支援法ではグループホーム利用者で一人暮らし希望者の退去と支援、改正精神保健福祉法では自治体が精神障害者の「医療保護入院」を決められる規定を盛り込むなど、高齢・障害者福祉に逆行しかねない内容も含まれていることから、一部野党が反対したものの、原案通り可決された。

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