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2024年2月19日

JASSAフォーラム「第3回派遣社員パネル調査研究会」、研究者報告とパネルディスカッションを展開 派遣協主催

 日本人材派遣協会(川崎健一郎会長)主催の「第3回派遣社員パネル調査研究会」が19日、オンライン形式で開かれ、東京大学名誉教授の佐藤博樹氏ら4人の研究者が事務系派遣社員のキャリア意向や賃上げなどに関する研究成果を報告したほか、現場の実務担当者を交えてパネルディスカッションを展開した。

 「派遣社員パネル調査」は、派遣協が2022年から新たに進めている定点調査で、同じ対象者に一定の間隔でアンケートを実施。「雇用形態や処遇の変化の実態」と「派遣会社の支援や派遣社員の個人特性の要因」との関係を有識者によって明らかにし、協会会員各社の取り組みに活用している。

 この日は、佐藤氏を進行役に、連合総研主幹研究員の中村天江氏が「事務系派遣労働者の賃上げと待遇決定方式」、中央大学大学院戦略経営研究科教授の島貫智行氏が「事務系派遣社員のストレスと緩和策」、法政大学経営学部経営学科教授の佐野嘉秀氏が「営業担当者によるコミュニケーションの効果」について、それぞれ集まったデータを解析しながら傾向や着眼点を説き、現場における改善策のヒントを示唆。佐藤氏は派遣協が毎年実施している「派遣社員WEBアンケート調査」を基に、「無期派遣社員のキャリア選択意向への対応」について解説した。

 この中で、中村氏は賃金について「有期雇用よりも無期雇用の場合に賃上げ率が低く、賃金か雇用かのトレードオフが起きている」との分析結果を明らかにしたほか、「派遣社員は自身の賃金決定方式を正しく理解していない人が相当数いる」といった課題を指摘。島貫氏は、派遣会社によるストレス緩和策として「仕事の特徴に関する本人希望を考慮した仕事紹介や、派遣先に対する仕事遂行支援の働きかけ、キャリアを相談できる制度の整備が有効と考えられる」と提言。佐野氏は営業担当者とのコミュニケーションについて「派遣社員の期待するキャリアの実現に重要な役割を果たす」と強調し、キャリア支援の重要性を説いた。

 調査報告を踏まえて、派遣会社の実務担当者を交えたパネルディスカッションが展開され、課題を深掘りしながら現場感覚で更なる改善の方策を探った。


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