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2025年5月 9日

実質賃金、3カ月連続のマイナス 物価上昇に追い付かず、毎勤3月速報

 厚生労働省が9日発表した毎月勤労統計調査の3月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は30万8572円(前年同月比2.1%増)で39カ月連続のプラスとなった。しかし、物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(20年=100)は85.7(同2.1%減)と3カ月連続のマイナスで、2月の1.5%減からマイナス幅も拡大した。コメ価格の高騰など、物価上昇に賃金が追い付かない状況が続いており、今春闘の賃上げが反映される4月以降の動きが注目される。

 給与額のうち、基本給などの所定内給与は26万2896円(同1.3%増)だったが、春のボーナスなどの特別給与が2万5993円(同13.9%増)に増えた。雇用形態別の総額は、正社員が中心の一般労働者は39万9394円(同2.7%増)、パートタイム労働者は11万292円(同1.8%増)だった。

 産業別で大きく伸びたのは、「鉱業、採石業等」の39万3509円(同35.1%増)と「金融、保険業」の50万9414円(同14.7%増)。一方、「運輸、郵便業」の31万7816円(同4.3%減)、「建設業」の40万4044円(同1.0%減)など、16産業のうち3産業でマイナスだった。

 月間総実労働時間は132.4時間(同2.9%減)。月末の常用労働者数は5087.6万人(同1.7%増)で、パートタイム比率は31.41%(同0.48ポイント増)に上昇した。

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