厚生労働省が26日発表した2024年雇用動向調査によると、年間の入職者数は747万3700人、離職者は719万5300人となり、入職者が離職者を約28万人上回った。年初の常用労働者数に対する割合は入職率が14.8%(前年比1.6ポイント減)、離職率が14.2%(同1.2ポイント減)といずれも低下した。
この結果、入職超過率は0.6ポイント(同0.4ポイント減)となり、前年の1.0ポイントから大きく下がった。入職超過率は、新型コロナ収束と人手不足を反映して21年から4年連続の超過となり、23年まで超過率も拡大してきたが、24年は労働力不足の顕在化などで一転、縮小に転じた。
就業形態別では、正社員が中心の一般労働者は入職率11.8%(同0.3ポイント減)、離職率11.5%(同0.6ポイント減)で0.3ポイントの入職超過。パートタイム労働者は入職率22.7%(同4.8ポイント減)、離職率21.4%(同2.4ポイント減)で1.3ポイントの入職超過。パートの入職率が大きく低下した。
産業別では、「宿泊・飲食サービス業」が入職率28.4%、離職率25.1%で最も高く、「生活関連サービス・娯楽業」が入職率20.6%、離職率19.0%で続いた。
転職入職者の賃金については、前職より「上がった」が40.5%(同3.3ポイント増)、「下がった」が29.4%(同3.0ポイント減)で、両者の開きは11.1ポイントと大きく拡大。3年連続の拡大となったが、春闘の賃上げや最低賃金の引き上げなどの効果によるものとみられる。
調査は年2回、5人以上の常用労働者のいる1万4867事業所を対象に実施し、上半期(1~6月)は9024事業所、下半期(7~12月)は8683事業所から有効回答を得た。