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2026年8月27日

デジタル時代の労働市場とマッチングの進化を深掘り、リクルートワークス研究所のオンラインセミナー

 リクルートワークス研究所(堀川拓郎所長)はこのほど、「AI時代の労働市場はどう変わる~マッチングの再定義」をテーマに、オンラインセミナーを開いた。政策・実務・人材マッチングの最前線に立つ有識者が一堂に会し、デジタル時代の労働市場とマッチングの進化を多角的に議論。政策・実務・AI利用の視点から、これからの働き方とマッチングの可能性を考察した。

n260825_1.jpg セミナーでは、元厚生労働審議官の田中誠二氏が「労働市場政策のこれから」と題して基調講演=写真・上。社会構造の変化を示して労働市場政策の必要性を強調し、今後は労働市場インフラ政策から労働市場システム政策と展開されていくとした。「労働市場は労働者と企業、仲介事業者、各種情報媒体、公共でいえばハローワークや訓練施設などが活動するステージとして整備されるべき存在であり、いわば市場としてのプラットフォームを意識していくことが妥当ではないか」と説き、労働市場整備のための法制へのコンセプトチェンジを更に進める必要があると指摘した。そのうえで、同研究所が設置した有識者による「デジタル時・世代のマッチング研究会」の報告書について、「労働市場システム政策の具体化に向け、デジタル時代のマッチングと労働市場ガバナンスの方向性を示すもの」と評価した。

n260825_3.jpg 続いて、同研究会の委員を務めた学習院大学名誉教授の今野浩一郎氏が、3月に取りまとめた報告書の要所について解説=写真・中。同研究会は、今野氏のほか、元労働政策審議会長で東洋大名誉教授の鎌田耕一氏、元厚生労働省労働基準局長で全国社会保険労務士会連合会専務理事の鈴木英二郎氏が委員として参画している。報告書では、デジタル時代にふさわしい労働市場におけるマッチングの公正性・透明性・信頼性の確保を目的に、制度の前提を見直しつつ、AIなどがもたらすリスクと可能性について正しく位置づけるとともに、「雇用仲介の多様化」「採用前後データの連結」「AIの説明可能性の限界と監査の在り方」という3つの観点から、新たな労働市場のガバナンスの方向性を提示している。

 その視点から、デジタル時代の労働市場ではマッチング機能そのものが公共的基盤(インフラ)に近づくことになるとの認識のもと、「全ての担い手が共通して守るべき規範(情報の正確性、個人情報の適正管理、差別防止)」と「それを点検、監査する仕組み(AIの点検=AI利用ドックなど)」の重要性を唱え、労働市場のインフラを支える公的機能の再設計を進めて実装することを提言している。

n260825_2.jpg 基調講演と報告書の要所解説を踏まえ、両名に全国求人情報協会理事長でパーソルキャリア社長の瀬野尾裕氏、経団連労働政策本部副本部長の平田充氏を加えて座談会を展開。進行はリクルートワークス研究所客員研究員の松原哲也氏が務め、「AIマッチングはどこまで来たか」「AI時代に人材ビジネスはどのような価値を提供するのか」「なぜ現行制度ではAI時代のマッチングに対応しきれないのか」「AI時代の労働市場ルールはどう再設計されるべきか」を切り口に、現状認識や課題、今後のあるべき姿をそれぞれの視点から掘り下げた=写真・下

 議論のなかでは「雇用仲介にAI時代が本格到来するなか、仲介事業者中心の規制から労働市場全体の共通ルールへ転換すべき」「誰を規制するかの観点から何を守るかへの移行が必要」といった考察が挙がり、これからの労働市場政策は「市場を設計する政策へ発展する」との方向性が示された。


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