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2014年5月23日

難病法、小慢法を参院本会議で可決、成立  医療費助成の対象見直しなどが焦点に

 難病法案(新法)と児童福祉法(小児慢性特定疾病医療費助成)改正案が23日の参議院本会議に掛けられ、難病法は賛成多数、小慢法は全会一致で可決、成立した。日本の難病対策は1972年(昭和47年)の発足以来、初めて法的裏付けを持つ制度になった。施行は来年1月。

 難病法成立により、厚生労働省は「基本方針」や関連政省令の策定、医師ら専門家による「第三者委員会」での指定難病の認定、重症度区分の見直しといった具体的な作業に入る。また、事務体制も変更になることから、都道府県や「指定医師」らの研修を通じて周知徹底を図り、施行に間に合わせたい考えだ。

 厚労省の試算によると、医療費助成の対象は難病は現在の56疾患から300疾患程度、同様に小慢は514疾病から600疾病程度に、それぞれ大幅に拡大。人数も両方を合わせると約89万人から165万人程度に倍増する見通しだ。助成規模も約1600億円(13年度見込み)から2140億円程度に増え、財源には消費増税分を充てる。

 難病対策は72年、「難病対策要綱」に基づいて始まったが、予算事業だったことから、医療費助成の対象疾患が一部に限定されたり、都道府県の超過負担が拡大するなど、矛盾が拡大していた。このため、厚労省は医療費助成などを義務的経費とするため、新法制定に着手。2010年から厚生科学審議会の難病対策委員会で議論を重ね、昨年12月に難病委が出した報告書を基に法案を作成。国会も超党派議案として優先的に審議を進めてきた。


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