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2012年2月25日

【この1冊】『資本主義以後の世界』

日本が主導する「文明の転換」の主張

c120225.png著者・中谷 巌
徳間書店、定価1600円+税

 

  著者はグローバル金融危機の原因となった「新自由主義」の日本における代表的論客だったが、危機の推移をみて「転向・懺悔の書」=『資本主義はなぜ崩壊したのか』を2008年に発刊し、大きな反響を呼んだ。

  本書はその続編と位置付けられるが、さらに踏み込んで、資本主義原理の根幹を成す「交換」の思想で成り立っている社会から、古代からある「贈与」の思想で成り立つ社会へ「文明の転換」を図るべきだと説く。

  しかも、この「交換」から「贈与」への「文明の転換」を主導できる国は日本以外にはない、と主張する。なぜなら、明治以降の近代化以前の日本人の生活ぶりこそ、グローバル資本主義を推し進めてきた西洋的思想と対極にあったから、という。

  著者の主張それ自体もさることながら、かつて米国の「新自由主義」の受け入れを主導していた日本の代表的論者が、「新自由主義」だけではなく、資本主義自体の否定にまで到達したことが興味深い。

  もちろん様々な反論はあろうが、日本は「文明の転換」を主導できるか、と題された第8章だけでも一読の価値はある。 (酒)

 


 

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