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2013年1月 5日

【この1冊】『感情労働シンドローム』

職場に蔓延するストレスの正体とは?

c1212000.jpg著者・岸本裕紀子
PHP研究所、定価760円+税

 

 肉体労働でも頭脳労働でもない、精神的負荷の大きい「感情労働」に注目した1冊。

 嫌悪や怒りなどマイナスの感情をコントロールし、笑顔のサービス提供を強いられる典型モデルは、かつては客室乗務員や看護・介護職などであった。しかし近年は、営業職や教師、さらには普通の若手社員、中高年社員らにも感情コントロールの負荷がのしかかっていると本書は報告する。

 例えば、営業職は自らは必ずしも推奨したくない商品を売り込む矛盾や訪問先で拒絶される苦しさにあえいでいる。また教師はモンスターペアレンツや生徒からのイジメにも耐える日々。一般の職場では、自らのキャリア形成に強くこだわる若者と相容れない組織の事情、そんな若者を部下に抱え全く尊敬されない上司の立場など様々な軋轢が生じていて、違和感・不安感・緊張感といった感情問題は臨界寸前の状態にあるとされる。

 常に何事にもポジティブである人格を求められ、際限のない気遣いに疲弊する窮屈さを社会的病理(シンドローム)と見抜いたややショッキングなレポートだ。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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