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2013年8月10日

【この1冊】『2020年、日本はアジアのリーダーになれるのか。』

ビジネスリーダーの育成が急務

c130810.jpg著者・海野 蕙一
ファーストプレス、定価1800円+税

 

 戦後のアジアで日本は経済成長の先頭を走り、他のアジア諸国が日本を追いかける「雁行」型が続いたが、今や成長の量では中国に、成長の質では韓国に追い抜かれてしまい、「雁行」型は昔の話になった。このまま日本は、後続の3番手、4番手の国にも追い抜かれるのだろうか。

 本書はそんな懸念に答えるヒントについて、化学系の仮想企業の中国進出ビジネスを描き、その合間にさまざまなデータを解説して、グローバル化の本質を描いている。大手コンサルティング企業の代表を務めていただけに、仮想企業の物語には迫力がある。

 今の日本企業は、蓄積した資金と技術は世界トップクラスだが、それをグローバル市場で商売できるビジネスリーダーが不在であることから、せっかくの資源を持て余している。ビジネスリーダーの育成こそ急がねばならない、と強く主張している。これは、多くの企業にとって疑う余地のない目前の課題であろう。

 ただ、中国ビジネスで避けて通れない政治リスクに対して、著者は政府による日米の外交・軍事同盟を強化して対応する方針を重視。官民とも、従来の「萎縮した、かつ保守的な態度」からの脱却が必要と説くが、日中の対話努力による相互理解と信頼の構築については基本的に不可能とみているフシがあり、そこは賛否の分かれるところだ。 (のり)

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