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2018年11月 6日

【書評&時事コラム】『君たちはどう働きますか』

「不安の時代」に働く人への指針

c181106.jpg著者・西本 甲介
東洋経済新報社、定価1300円+税

 

 著者は技術者派遣の大手、メイテックの社長を15年勤め、リーマン・ショック後の不況期でも技術者を解雇せず、今日の隆盛に導いた経営者。だが、そんな自慢話はほとんど出て来ず、テーマは副題「不安の時代に働き続けるあなた」に向けられている。

 なぜ「不安の時代」なのか。それは、戦後から続いた終身雇用と年功賃金の時代が音を立てて崩れつつある現代、企業もそこで働く会社員も、新たな対応を模索している過渡期にあるためだ。これに対して、著者の主張は「企業の枠を超えて生涯働き続けること」と明快だ。

 「第一章 22歳で人生は決まらない」から「第五章 下山の勇気」までの5部構成で、
中心は「第二章 働き続けられる力」と「第三章 自分の背丈を知る」。ここで著者は、仕事や組織に対する独自の考えを縦横に展開するが、そこにはメイテックという、企業の枠を超えて派遣される「生涯エンジニア」の就労形態が大きなヒントになっている。

 「転職は当たり前」の時代と言われても、いまだに自分の「社会的価値」がわからないサラリーマンの方が圧倒的に多く、法的制度の整備も労使の利害関係が錯綜して容易に追い付かない。本書は、そんな時代に働く人たちにとって、有効な“指針”になりそうだ。(俊)

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