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2019年1月22日

【ブック&コラム】『インディペンデントな働き方』

会社を卒業して生きるヒント

c180122.jpg著者・藤井 孝一
三笠書房、定価1500円+税

 

 「人生100年」が共通言語化していく過程で離職は普通の選択肢の1つになっていく。誰もが独立して働く時代がまもなく来るという前提で、「週末起業」で有名な著者は、会社を卒業して精神的にも経済的にも周囲に依存しない働き方のガイドをまとめている。

 手がかりは、①好きなこと、②得意なこと、③必要とされること、の優先順位で、この3項目が重なる領域にあるという。それを「努力は夢中に勝てない」と言い当てる一方、「ラクな仕事とは違う」とも釘を刺す。10年あれば専門家になれるが、10年何もしなかったら単なる加齢だと覚悟を迫り、投資と労働対価の違い、勉強会の運営、読書法、時間の作り方等を具体的にレクチャーしている。独立に関して会社の上司・先輩から学べる余地は少ないと手厳しいが、「自分棚卸しシート」等を用いてキャリアを再確認していく手法は企業内研修にも相関がありそうだ。

 読者自身が独立起業の道を選ぶかどうかはともかく、キャリア開発の幅や奥行きを知るうえで、本書は有益なコンテンツに違いない。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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