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2019年5月30日

中宮伸二郎社労士の「労務の心得」22・外国人労働者の帰国旅費

Q 外国人労働者が帰国する場合、帰国旅費を雇用主が負担しなければならないのでしょうか。

nakamiya03.png 原則として帰国旅費は、外国人労働者自身の負担となりますが、1号特定技能外国人が帰国旅費を用意できないときは、受け入れ企業が負担することもあります。

 在留資格を問わず外国人雇用管理について定めた外国人労働者の雇用管理改善に関する指針では、帰国のための諸手続きの相談その他必要な援助を行うよう努めることとし、外国人労働者が帰国する際、病気などやむを得ない理由により帰国旅費を用意できない場合は、雇用主が費用を負担するよう努めることとしています。これは、在留資格を失ったまま不法滞在となることを防ぐための努力義務です。

 1号特定技能外国人の受け入れに関しては、指針より厳しく、帰国旅費は原則自己負担としながら、雇用契約終了後の帰国理由を問わず、帰国旅費を負担することができないときは、帰国旅費の負担とともに帰国のための航空券の予約、空港までの送迎を含む措置を受け入れ企業に求めています。

 また、受け入れ企業の経営不振により帰国旅費を負担できない場合に備えて、登録支援機関など第三者と旅費負担に関する協定を結ぶことが望ましいとしています。帰国旅費の負担を避けるために賃金から控除し積み立てて管理することは、金銭その他の財産管理に該当するため禁止されています。

 一時帰国について、指針では直接的に費用負担に触れていませんが、休暇の取得促進への配慮その他必要な援助について努力義務を課しています。特定技能労働者については、一時帰国の旅費に関して規定されていませんが、必要な休暇について雇用契約で定めることが求められています。

 外国人技能実習生が実習を終了(途中終了も含む)して帰国する場合、監理団体(企業単独型の場合事業主)が帰国旅費を全額負担しなければなりません。
 いずれにせよ、在留期限のある外国人に関しては、雇用関係の終了で全て終了ではなく、出国するまでの配慮が求められています。

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