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2019年9月12日

中宮伸二郎社労士の「労務の心得」37・派遣元の労働者代表の選出

Q 労使協定方式の労使協定を締結する際の労働者の過半数代表者は、派遣社員から選出しなければなりませんか。また、派遣会社でどのように過半数代表者を選出すればよいでしょうか。

nakamiya03.png 労使協定の労働者の過半数代表者は、必ずしも派遣社員から選出する必要はありません。派遣社員以外の派遣元内勤社員が過半数代表者になることも可能です。

 労働者の過半数代表者は、管理監督者以外の者から民主的な方法で選出しなければなりません。適切な過半数代表者選出を行わない場合、労使協定が無効となり、派遣先均等・均衡方式の適用を受けることになってしまいます。

<例示されている民主的な方法>
 ①投票、挙手
 ②労働者の話し合い
 ③持ち回り決議

 また、労働基準法改正に伴い施行規則も改正(2019年4月1日施行)され、以下の2点が追加されます。これにより選出の際に会社の意向に沿わない人物を排除することは許されません。

・労働者の過半数を代表する者は、使用者の意向に基づき選出された者ではないものとすること
・使用者は、労働者の過半数を代表する者がその事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮を行わなければならないものとすること

<派遣元で労働者代表を選出する方法>
 派遣社員の研修会等の多くの派遣社員が集まる機会が年1回以上ある場合は、その機会に選出することが可能ですが、そのような機会がない場合は、以下のような方法が考えられます。

 ①立候補者の募集
  派遣社員、管理職以外の社員に立候補を呼びかけます。メール等による配信や給与明細の備考欄に記載、社内イントラネットを利用して募集することが考えられます。
 
 ②投票
  営業担当が巡回の際に投票用紙を持参し、説明の上配布することや、メールの返信により投票すること、社内イントラネットの利用、SNS等のアンケート機能の利用等の方法が考えられます。また、投票期間は1日限定とするのではなく、1カ月程度の期間を設けるなど、より多くの社員が参加できるよう工夫が必要と思います。例えば、月末在席者を対象に翌月末までを投票期間とすることが考えられます。

 ③結果の公表
  メール等による配信や給与明細の備考欄に記載、社内イントラネットを利用して投票結果を通知することで、派遣社員に適切な代表選出が行われたことが伝わります。

 

(中宮 伸二郎/社会保険労務士法人ユアサイド 代表社員)

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