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2020年8月25日

【ブック&コラム】ここまでズレた?永田町

 やはりこの人たちの感覚は、世間とズレている。政界のことである。新型コロナウイルス対策で疲れた(?)安倍首相の健康問題が表ざたになったら、さっそく「ポスト安倍」をめぐる動きが活発になってきた。本人や側近がどう否定しようとも、憶測が憶測を呼び、国会閉会中で「寝ていた」永田町がにわかに目を覚ました感じだ。

c200825.jpg 中でも、来月にも予定されていたという内閣改造で、大臣の座を狙うベテランの与党議員は気が気でないという新聞報道があった。というのも、大臣の"待機組"がまだ50~60人ほどいて、この機会を逃すと現政権下での就任の可能性がなくなるからだという。コロナ対策とはまったく無関係な"業界話"にあいた口がふさがらない。

 政府・与党批判に余念のない野党も、似たようなもの。自公の8年近い長期政権を許してきた反省はどこ吹く風で、相も変らぬ離合集散を繰り返す姿は、浮世離れしている。なぜこの時期に野党再編なのか。選挙対策としか思えないが、これもコロナ対策とは何の関係もない"ゴマメ"同士の権力争いにみえる。

 与党も野党も、国民がいま何に苦しみ、何を解決してほしいと思っているのか、本当に理解しているようには思えない。ムダな政局に費やすエネルギーがあったら、コロナ関連の法改正や行政府のチェックに力を向けるべきではないのか。それなのに、閉会中審査でお茶を濁し、長い夏休みを優雅に過ごした揚げ句の政局だ。この浅ましさは尋常ではない。(間)

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