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2020年9月29日

【ブック&コラム】テレワークの功罪

 前回の出勤から、もう1カ月以上になる。先日、久しぶりに仕事で都内に出た。私のような高齢者は、新型コロナウイルスに感染すると重症化リスクが高い。そうやって、さんざん脅かされてきたので、今春以降はズーム会議、メール連絡を主に、もっぱら自宅でテレワーク。ところが、この間に大変な"変化"が生じていた。

c200929.jpg その日は雨で、電車内は満員の一歩手前。家族に「吊り革や手すりにさわってはいけない」と言われたので、カサとカバンを両手に持った格好で、電車が揺れても両足で踏ん張る。「隣の人に触れてもいけない」というわけで、前後左右の合い間に気を遣う。どの人もマスクをしているので表情がわからず、なんだか乗客全員が"敵"に見えた。

 乗り換えのエスカレーターに乗る時や通路を歩く時も、他の人との前後を開けなければならず、どうも歩調が合わない。そんなことばかり考えていたら、エスカレーターに足を引っ掛けて前につんのめりそうになった。ああ、恥ずかしい!

 そんな、いささかオーバーな気遣いをしながら帰宅すると、もうぐったり。以前なら当たり前だった行き帰りが、これほど"重労働"だったとは。スマホの万歩計を見ると、1日の目標にしている8000歩をかなり超えていた。近くの公園までの8000歩は結構な運動のように思えたが、出勤すれば軽々とクリアするんだ。では、出勤を復活させるか、でもねえ......。「ウィズ・コロナ(コロナとの共存)」の悩みは深い。(俊)

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