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2021年1月 5日

【ブック&コラム】コロナで明けた新年

 今年の正月は、家で妻と2人だけで過ごした。静かな、静かな正月。つい1年前、孫たちと遊び、人波をかき分けて初詣に行き、デパートで買い物も少し楽しんだことを思い出す。新型コロナウイルスの上陸が目前に迫っていたことなど、まったく予期していなかった。その直後、当たり前に思っていた日常生活が、実は幸福な日々だったことを思い知ったのだ。

c210105.JPG もう、ウンザリ。今年はコロナから自由な生活に戻れるのではないか。と思っていたら、現実は逆に動いている。11月からの感染の第3波が収まらず、年を越しても勢いが止まらない。医療機関が悲鳴を上げ、1都3県の知事の強い要請によって、腰の重かった政府もようやく「緊急事態宣言」を出すことになった。世の大半は「遅すぎる」との批判がもっぱらだが。

 この1年、私もたくさんのことを学んだ。他者との接触や会話を控えることが、生活や仕事にどんな影響を及ぼすかを実体験したが、途中から「ここまでなら大丈夫」という気の緩みも拡大した。多くの人も同じだったのだろう。それが第3波を招いたのも勉強の一つだった。人間心理のスキを突く新型ウイルスもバカではない。

 まだ特効薬がなく、予防ワクチンの投与もこれからだから、もうしばらくは非接触型の生活を続けなければなるまい。幸い、デジタル通信の発展によってメール、映像、動画などコミュニケーション手段は豊富にあり、それが過去のパンデミック時と大きく違っている。フル活用しない手はない。と思いながらパソコン画面に向かっていたら、「新型ウイルスにご注意」という警告文が出てきた。このウイルスって......。(俊)

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