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2021年4月 6日

【ブック&コラム】「コロナ慣れ」突いた?変異ウイルス

 新型コロナウイルスの感染が急拡大している1府2県に、5日からまん延防止等重点措置が実施された。つい先ごろまで1都3県に緊急事態宣言が出て、それが解除されたと思ったら、今度は重点措置だという。両者はどう違うのか。それが、よくわからない。

 詳しくみれば、重点措置は「ステージ3」、宣言は「ステージ4」の時に適用されるなど、違いは一応わかるのだが、肝心の一般国民にとって、それがどのように生活に影響するのか、わからない。だから、宣言下でも後半には花見や繁華街の人出は急増したし、重点措置になっても会社に向かう人波は変わらない。

c210406.JPG 1年前、初めての宣言が7都府県に出されてから、7日でちょうど1年になる。あの当時は、鮮明な効果がみられた。繁華街から人影が消え、行楽地には閑散とした風景が広がったが、感染者も激減した。それを思うと、1年後の今、私たちの意識が大きく変わってしまったことに気づかざるを得ない。それは「コロナ疲れ」「コロナ慣れ」とでも呼ぶものであろう。

 コロナの正体が徐々に明らかになって過剰な恐怖心が薄れてきた半面、「これくらいなら大丈夫」という空気が社会に広がり、それが気の緩みにつながっているのは間違いない。変異ウイルスは、そんな気の緩みを見透かして台頭してきた。科学的な根拠はないが、そう思いたくもなる。安易な「コロナ慣れ」は禁物ということだろう。だから、重点措置で時短要請すべきは、飲食店よりも客側ではないだろうか。(間)

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