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2022年4月19日

【ブック&コラム】『なぜ、日本の職場は世界一ギスギスしているのか』

気合と根性ではない合理的処方を提案

c2201_2.jpg著者・沢渡あまね
SBクリエイティブ、定価990円(税込)


 働き方・組織・マネジメント領域で改革支援を手掛ける著者は、関係先から見聞きした数々の"ギスギス"を大きく3種に分類する。

 1つは「環境によるギスギス」、2つ目は「スキル・メンタリティによるギスギス」、そして3つ目は「制度によるギスギス」だ。具体的には「管理職・上司は現場を知らないくせに」といった不満・不服従や「上司を通して言え」といった階層組織、相談しにくい社員間のコミュニケーションのまずさが問題視されている。また、「テレワークで仕事がはかどらない」という課題では、テレワーク以前の仕事のプロセスに改善点があると見抜き、ムダをそのまま電子化しても効率化されないと解説している。「雑用が多すぎて専門スキルを伸ばせない」ケースでは、「なくす・減らす・自動化する・専門家に任せる」といった効率化の処方を提案。終身雇用ゆえの組織の閉塞感では外部人材の取り込みを説く。

 気合・根性・体育会系に象徴されるみんなで仲良く苦しむ文化はおしまいにしようと時代に即した合理性を強く訴えている。


(久島豊樹/HRM Magazine より)

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