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2024年3月12日

【ブック&コラム】正体見たり「裏金」騒動

 今回の自民党の裏金騒動は、これまで一部で言われてきた金権体質が紛れもない事実だったことを、改めて国民にさらけ出した形だ。この党は派閥の連合体であり、大臣などのポストは派閥への貢献度と当選回数でほぼ決まる。貢献度というのは派閥に上納する金集めのことであり、政策通かどうか、国民に顔が向いているかどうかは関係ない。

c240312.jpg 金集めのうまい議員は派閥内で評価され、大臣などの順番待ちの順位も上がる。キックバックされた金は選挙で支持者にバラまいて当選を図る。捜査当局に摘発された河合、柿沢両氏のやり方をみれば、誰もが理解できるであろう。今回も、キックバック議員が裏金の使途を言わず、会計責任者のせいにするのはそのためだ。政治倫理審査会であれだけ野党に責められても頑として「知らぬ存ぜぬ」を貫いたのも、不法に金を抱え込み、不法にバラまいたためだと思えば納得できる。

 この人たちにとって、野党やメディアの断罪はちっとも怖くない。怖いのは強制捜査と選挙だけだ。だから、本当に反省してもらうには、選挙で落選してもらうしかない。選挙になれば、おそらく「反省しています。皆さんのお力で再起させてください」とか神妙に言うのだろう。だまされてはいけない。仮にご本人が本当に反省したとしても、国会に戻れば「派閥の論理」に呑み込まれてしまうのは目に見えているからだ。

 有権者は「良い候補者がいない」という理由で棄権する方法もあるだろう。しかし、そうなれば投票するのはこの党の世話になる利害関係者や年寄りだけになる。候補者にとって、無党派層や若者層には棄権してもらう方が好都合なのだ。利益を得る業界も、各種パーティーで「○○先生」などと呼ぶのは止めなさい。いい気になるだけだ。メディアも経歴に「○○副大臣」などと入れるのはやめるべきであり、どうしても入れたいなら「○○副大臣(1カ月)」とでもいう表記にすべきではないか。真に国民のために仕事をしたかどうか、判断材料の一助にはなるだろう。(俊)

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