仕事と人生を考えるヒント
著者・浅生 鴨
筑摩書房、定価990円(税込)
本書は進路選択を迫られている中高生を読者に想定しているものの、仕事・働き方・お金を巡る多角的な考察は現役の社会人にも深い示唆を与えてくれそう。
様々な職業体験を経て作家として活躍する著者は、人に言われるまま何事も「あ、そうかも」と受け入れて来たと半生をを振り返り、それがペンネームの由来だと明かす。仕事選びには正解がなく、なりたい職業を先に決める無理を語り、「ちょっとやってみないか」「手伝ってほしい」と、仕事は向こうからやってくるものだと自らの体験を頼りに偶然の効力を説明する。誰がやっても変わらない「作業」と、自分の動き次第で世の中がわずかでも変わる「仕事」の違いを指摘しつつ、無理に抱え込まずに「責任」なんか放り出してもいいと逃げ道も用意。どんな仕事をするかより、どんな人生を送りたいかを優先すべきだと哲学的なメッセージを投げかける。
終始記述スタンスはひねくれているが、苦手でも不得意でも目の前に転がってきた仕事は面白がってやってみてはどうかと諭す眼差しには温もりを感じる。
(久島豊樹/HRM Magazine より)






















