元気なうちは働く vs. 元気なうちに辞める
著者・藤井 薫
中央公論新社、定価1210円(税込)
60代半ばの著者が"60代にしか書けない視点"を重視して綴るキャリア論。まず、「ずっと会社員だった人」の場合、60代前半で5%、60代後半で89%が働き続けているという数字に驚かされる。働く理由では「生計維持のため」がトップながら、十分資産がある人も「お金の心配」に囚われている傾向を読み取っている。
人事施策では60歳時点で一律に処遇を引き下げるケースが最多。個別対応は8%に過ぎず、この一律処遇が、人手不足下の中高年リストラという矛盾を引き起こしていると分析する。60歳以降の処遇では「半・現役」が大半で、隠居状態に置かれた人から「キャリアが終わった」「忠誠心が下がった」という生の声も拾う。それでも、「元気なうちは働く」と本人たちは口にするが、健康寿命(男性72.57歳・女性75.45歳)を視界に入れると「元気なうちに辞める」のが正解ではないかと著者は語る。
「24時間、戦エマスカ。」で育ち「働かないおじさん」と揶揄されてきた世代にとっては等身大のトピックが並び、食い入るように読めてしまう。
(久島豊樹/HRM Magazine より)






















