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2011年12月19日

シンポジウム「人材サービス産業の近未来」

4団体共催、課題は「人材高度化」など

 全国求人情報協会、日本人材紹介事業協会、日本人材派遣協会、日本生産技能労務協会の4団体で構成する「人材サービス産業の近未来を考える会」(座長、佐藤博樹・東大大学院情報学環教授)が東京・銀座で8日に開いた公開シンポジウムは、200人を超える参加者で埋まった。人材ビジネスが社会に広く認知されるためにはどうすればいいか、初の業界横断のシンポとあって、熱のこもったパネルディスカッションが展開された=写真。(報道局)

1219speshal.png まず、考える会がこのほど発表した報告書「2020年の労働市場と人材サービス産業の役割」をベースに、佐藤座長が趣旨を基調報告。人材サービス産業の中核的な機能である「マッチング」と「就業管理」の充実・高度化を通じて、企業には人材活用のパートナー、個人にはキャリア形成のサポーターの役割を果たすことで社会・経済への貢献を果たせるとした。

 これに続いて、考える会の高橋広敏広報委員(インテリジェンス社長)が、①4団体は来年7月に「人材サービス産業協議会」(仮称)を設置②中長期的には官民パートナーシップを推進するため、公的機関に働きかける方針を説明。

 そのためには①マッチング・就業管理を通じたキャリア形成の支援②採用・就業における「年齢の壁」の克服③異なる産業・職業へのキャリアチェンジの支援④グローバル人材の採用・就業支援⑤人材育成による人材サービス産業の高度化――の五つの取り組みを進める「共同宣言」を解説した。

業界を「社会インフラ」に

 パネルディスカッション「人材サービスに期待すること」では、考える会の大久保幸夫副座長(リクルートワークス研究所長)が司会となり、坂爪洋美・和光大現代人間学教授▽清水竜一・技能協会長(日総工産社長)▽福地潔・東レ常務▽高橋氏▽佐藤座長の5人が意見を述べた。

 福地氏は、外部労働力を活用するクライアント企業の立場から、日本の労働規制の硬直性によって企業負担が増加していること、産業競争力が全般に低下していることなどを挙げ、国際競争力の基本要件である総額人件費と労働生産性を適正なものにするためには、多様な労働力の活用や雇用の柔軟性などが必要と指摘し、人材サービス産業への期待感を示した。

 坂爪氏は、主に人材紹介業の役割に触れ、組織間のキャリア形成を支える役割の重要性を強調した。清水氏は製造請負の立場から、時代の変化に対応するには業界の人材の高度化が必須、との姿勢を披露。高橋氏は、個人と企業の仲介役を担うことで、「社会インフラ」としての機能を強化していく考えを主張した。

 大久保氏は、共同宣言の中でも「年齢の壁」の克服がポイントになるとして、「日本は45~55歳の層が急速に膨らんでいる。これまで人材サービスは主に若者層向けだったが、少子高齢社会にマッチしたビジネスモデルに変える時期に来ているのではないか」と、今後の課題を提起した。

 

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