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2014年9月 4日

國分秀世・メイテック社長に聞く(下)

メーカーの設計開発部門は国内が主流

―― アジアの新興勢力などに押され、日本のモノ作りはピークアウトしたという指摘もあります。

is140904.jpg國分 長年の円高などでメーカーは海外での現地生産を進め、その結果、国内が空洞化しているという現象は確かにみられます。しかし、多くのメーカーが今も製品の開発設計部門を国内に置き、海外では現地生産向けに製品をカスタマイズするのが一般的です。効率性や企業秘密の保持などを考えると、この傾向は今後も変わらないと思います。従って、国内におけるエンジニアの需要が減少する事態は考えにくいです。

 また、例えば自動車を例に挙げると、従来の技術にとどまらず、自動運転車、電気自動車、燃料電池車など、まったく新しいコンセプトの技術開発競争が世界規模で急ピッチに進んでいます。エンジニアもそれに対応していかなければなりません。需要は無限にある、と言っても過言ではないでしょう。もちろん、それに呼応、リードする力量が不可欠となります。

―― 日本は人口減に伴う労働力の減少が始まっており、メイテックもエンジニアの確保に苦労していませんか。

國分 これまでのように、「安易に計画数を採用できる環境ではなくなった」というのは確かだと思います。だからこそ我々が「目指すべき姿」として中心に掲げたのが「エンジニア価値」の向上なのです。

 私自身、エンジニア出身ですからわかるのですが、エンジニアは収入のために仕事をするのは当然としても、それ以上に自分のスキルを限界まで発揮して、より良いモノ作りに貢献したいという強い欲求と誇りを持っています。

 当社は、そうしたエンジニアとして自己実現できるだけのあらゆる機会と場を提供できる組織を目指しており、それが「エンジニア価値」の向上につながると確信しています。昨年10月に開設したウェブサイト「fabcross(ファブクロス)」は、当社のエンジニアに限らず、すべてのエンジニアの交流サイトにしたいと思って作りました。

―― 退職エンジニアの活用はどのようにしていますか。

國分 団塊の世代のリタイアで技能伝承も国内の課題になっていますが、当社でも60歳定年を迎える技術者が今年中に100人を超える見通しです。この人たちには、派遣契約が続いている場合は、定年になってもそのまま正社員として仕事を続けてもらい、契約が終了している人たちは、定年後に希望すれば子会社「メイテックEX」で再雇用し、契約社員として派遣していきます。「生涯エンジニア」を貫いてきた人ばかりですから、培った技術力とキャリアを発揮できる機会と場を提供していきたいと思っています。 (おわり)


國分 秀世氏(こくぶん・ひでよ) 1959年、福島県郡山市出身。82年東海大学工学部卒、同年にメイテック入社。エンジニアとして自動車、電機などの民生品の設計開発や工場設備設計など、幅広い設計業務を約14年にわたり担当。98年広報部長、2003年取締役、07年派遣事業グループCEO。14年4月社長就任。


 

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