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2019年9月30日

中小企業の障害者雇用

さっぱり進まないワケは?

 中小企業も積極的な障害者雇用を――。労働政策審議会の障害者雇用分科会(阿部正浩分科会長)で中小企業に狙いを絞った雇用促進の議論が始まった。日本の障害者雇用は大企業に偏っており、中小企業は「笛吹けど踊らず」の状態。そこで、政府が音頭を取って、「優良企業」の認定制度を設けることで“風穴”を開けようという狙いだが、課題も多い。(報道局)

 日本は障害者雇用促進法によって、企業や公的機関に法定雇用率に基づく障害者雇用を義務付けており、雇用数は増え続けている。厚生労働省の障害者雇用状況などの統計によると、2018年の企業の雇用者数は53万4769.5人(前年比7.9%増、短時間労働者は0.5人でカウント)で15年連続の増加。実雇用率も2.05%と7年連続で上昇した。

 同法は18年度に見直しが施行され、雇用義務の対象企業を従業員50人以上から45.5人以上、法定雇用率を2.0%から2.2%に引き上げ、身体・知的障害者に加えて精神障害者も対象に加えた。20年度内に法定雇用率は2.3%に引き上げられる。

 しかし、企業側のハードルが高くなる一方で、その雇用実態には歪みも生じている。18年を企業規模別にみると、実雇用率は企業規模が小さくなるほど下がっており、1000人以上企業の2.25%に比べ、100人~300人未満企業は1.91%、45.5人~100人未満企業では1.68%と大きく下がる。

sc190930.png それ以上に目立つのは、法定雇用率が未達成の企業のうち、1人も障害者を雇用していない企業の比率で、500人以上は0.1%、300人~500人未満は1.3%なのに対して、100人~300人未満では30.8%、45.5人~100人未満では93.7%の高率になっていることだ=表

 100人~300人未満では未達成企業の3社に1社、45.5人~100人未満ではほとんどが障害者を雇用していないことになる。大企業の“雇用負担”が拡大する一方で、中小企業は負担を免れている構図が鮮明になっている。

 同法では、未達成企業には「納付金」というペナルティーを課しており、未達成人数分について1人月5万円程度を払わなければならない。納付金の一部は達成企業に「調整金」などとして支払われる仕組み。しかし、この制度は100人以上の企業には適用されるが、100人未満の企業には適用されない。100人未満企業に障害者を雇用していない企業が多いのは、こうした制度的要因もあるが、中小企業に大企業並みのペナルティーを課すと中小側の強い反発が予想されるため、政府は今回、「ムチよりアメ」作戦に出た。

 今回の法改正では300人以下の中小企業の取り組みを促すため、「優良企業」の認定制度創設を明記し、具体的な認定基準を労政審で決めることにした。厚労省が労政審に示した認定基準案では…

 

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