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2020年12月21日

2020年、新型コロナに翻弄された派遣法

道半ばの「見直し議論」、賃金で「例外的対応」も

 今年4月に施行された改正労働者派遣法。いわゆる「同一労働同一賃金」を目的とする抜本改正で、「派遣先均等・均衡」か「派遣元の労使協定」のいずれかの待遇決定方式が義務化された。この選択制2方式については「複雑かつ難解」との指摘があり、施行後の安定的運用と浸透が課題となっていた。そこに重なるように新型コロナウイルス感染症が襲来。事業者は派遣社員の「雇用の維持・確保」という命題を抱えながら、改正初年度の運用を余儀なくされた。新型コロナに翻弄された今年の派遣法を巡る動きを振り返る。(報道局)

 全国に緊急事態宣言が敷かれた4月上旬から5月下旬の間、厳しい外出自粛やテレワークの推進などにより、運輸、旅行、観光、飲食などの消費産業を中心に売り上げが激減。これに連動して雇用不安が一気に広がった。7月、厚生労働省の中央最低賃金審議会・小委員会は「現行水準の維持が適当」とする報告書を提出。目安額を示すことができなかったのはリーマン・ショック後の09年度以来11年ぶりで、事実上の"据え置き"で雇用維持を優先した。

sc201221.jpg 時期を同じくして、派遣法においても厚労省で「賃金」について本格的な検討に入った。およそ9割の事業者が選択した「労使協定方式」。この場合の派遣社員の賃金は、毎年7月をメドに公表される局長通達の一般賃金水準より同等以上であることが必須となる。施行初年度となる現在適用されている水準は、昨年7月に示された「2018年賃金構造基本統計調査」(賃構統計)と、「2018年度職業安定業務統計」(ハロワ統計)の2種類が基になっている。

 こうした仕組みの中で厚労省は10月、「直近の統計適用を原則とする一方、例外的対応も認める」とする局長通達を出した。要するに、規定通り19年(度)の水準を示す一方、条件付きで現状維持を認める運用も提示した格好。雇用の維持・確保を最優先に、労働政策審議会労働力需給制度部会で労使がぎりぎりまで歩み寄った「苦肉の策」だった=写真

 これを受けて...


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