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2023年1月30日

コロナ禍で緩やかに復調、21年度「求人メディア」市場規模調査

新形態サービスの勢い拡大、全求協調査

sc230130.png 「求人メディア」は緩やかに回復、新形態サービスの勢い拡大――。全国求人情報協会は1月25日、2021年度の求人情報提供サービス(求人メディア)市場規模調査の結果を発表した。市場規模は6962億円で、新型コロナウイルス感染拡大の影響が及ばない18年度に比べて約3割減まで持ち直し、最も打撃を受けた20年度と比較すると67.8%増となっている=グラフ。一方で、この数字に含まれていないソーシャルリクルーティングやアグリゲーター、クラウドソーシングといった「新形態サービス」の市場規模は2084億円で前年度比10.5%増と広がっている。コロナ禍の影響だけでなく、サービス形態の変化が顕著な求人メディアの市場動態も浮き彫りとなった。

 同調査は、全求協が全国769社の求人情報提供事業者に対して実施し、同協会の独自調査の結果を踏まえて求人情報提供サービスの市場規模(推計含む)をとりまとめている。調査期間は22年7~10月。

 台頭する「新形態サービス」を巡っては、労働市場整備の一環として実態把握と適切な指導監督を狙いに、厚生労働省が昨年10月から「届け出制」導入などを含む改正職業安定法を施行しているが、今回の調査は"法整備前夜"の動向となる。改正の方向性は、規制強化一辺倒ではなく、「イノベーションを阻害しない」ことに留意して「新形態サービス」を需給調整の一翼を担う事業者と位置付けている。

 全求協は市場規模調査のほかにも、直近となる22年の年間求人広告件数の動きも取りまとめた。掲載件数は、職種別合計で1514万7649件となり、21年と比べて425万7440件(39.1%)増加した。4月に前年同月比で60.0%増まで回復したが、それ以降は新型コロナ第7波の影響で小幅な伸びにとどまり、月ごとに一進一退の動きをたどった。

 雇用形態別では、全体の7割を占める「アルバイト・パート」が4月に同64.5%増まで回復したものの、その後の伸びは鈍化して年間では22.7%増で着地した。「正社員」はウィズ・コロナにおけるエッセンシャルワークやテレワーク可能な広告などの件数が伸びた。

 職種別でみると、「サービス(給仕)」が前年比63.0%増、「サービス(調理)」が同58.8%増、「サービス(接客)」が同56.0%増と、サービスに関する職種が大きく伸びており、全体のプラスに大きく貢献した。また、「販売(販売)」は同31.7%増、「運搬・清掃・包装等」は同35.1%増、「生産工程」で同55.2%増、「事務」で同51.4%増、「サービス(医療・福祉サービス)」で同14.9%となった。このうち正社員は、件数最上位の「生産工程」が同36.2%増、次に「事務」同74.2%増、「サービス(医療・福祉サービス)」が同6.6%増、「専門(医療・福祉専門職)」が同28.6%増、「販売(営業)」が同48.1%増となっている。

2022改正職安法、施行から4カ月の現状とこれから

 職業安定法上の募集情報等提供事業者(求人メディア)の対象を大幅に広げ、「届け出制」を導入した改正職安法。昨年10月の施行から約4カ月が経過した。AIやITなどの急速な進化に伴い、多種多様な「雇用仲介サービス」が求人企業と求職者の間に広がる中、サービス内容の実態把握と職業紹介事業との「境界整理」を進めて利用者の保護を図るのが狙い。玉石混交のプレーヤーが存在する求人メディア業界で、サービスを競い合う事業者間と活用する求人・求職者の視点に立った新たな「労働市場整備」の動きとあって...


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