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2023年6月26日

「骨太の方針2023」の中核をなす三位一体の労働市場改革

本格化するリスキリング関連事業の動き

sc230626.jpg 政府は6月16日、「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針)と「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」を閣議決定した。骨太の方針では岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の加速を鮮明にし、三位一体の労働市場改革による構造的賃上げの実現と「人への投資」を強化する。具体的な施策のキーワードとなっているのが学び直しと能力向上に結びつける「リスキリング」だ。その推進役として、キャリアアップと企業間・産業間の労働移動を一体的に担える総合人材サービスが注目されており、事業者の知見やノウハウを活用した施策が展開されていく見通しだ。(報道局)

 骨太の方針と実行計画改訂版のポイントを整理すると、「新しい資本主義」の実現に向けた構造的賃上げの実現や人への投資、分厚い中間層の形成に向けた取り組みを前面に、GX・DXとスタートアップ推進、新たな産業構造への転換を強調。岸田首相は「人への投資、構造的賃上げと労働市場改革を進め、官民連携の投資を拡大しながら持続的で包摂的な成長につなげる」との考えを示している。

 骨太の方針は、「マクロ経済運営の基本的考え方」「新しい資本主義の加速」「我が国を取り巻く環境変化への対応」「中長期の経済財政運営」「当面の経済財政運営と来年度の予算編成に向けた考え方」の全5章で構成され、このうち最も注目されているのが「新しい資本主義の加速」に盛り込まれた「三位一体の労働市場改革」だ。ここで言う「三位」は、(1)リスキリングによる能力向上支援(2)個々の企業の実態に応じた職務給の導入(3)成長分野への労働移動の円滑化――を指している。

 それぞれ掘り下げると、(1)のリスキリングは、企業経由が中心となっている在職者への学び直し支援策について、5年以内を目途に効果を検証し、半分以上が個人経由での給付が可能となるよう直接支援を拡充する。併せて、教育訓練給付の拡充や教育訓練中の生活を支えるための給付と融資制度の創設を検討。5年で1兆円の「人への投資」施策パッケージのフォローアップと施策の見直しを実施するほか、雇用調整助成金について休業よりも教育訓練による雇用調整を選択しやすくなるよう助成率の見直しを進める。

 (2)は、職務給(ジョブ型人事)の推進で、人材確保の目的や配置・育成・評価方法、リスキリングの方法、賃金制度、労働条件の変更と現行法制・判例との関係などについて事例を整理。個々の企業に制度導入を促すため、中小・小規模企業の導入事例も含めて年内に事例集を取りまとめる。

 (3)の労働移動の円滑化は、失業給付制度において自己都合の離職で失業給付を受給できない期間に関し、失業給付の申請前にリスキリングに取り組んでいた場合は会社都合の離職と同じ扱いにするなど、自己都合の要件を緩和する方向で具体的な設計を行う。また、自己都合退職の場合の退職金の減額といった労働慣行の見直しに向けた「モデル就業規則」の改正や、退職所得課税制度の見直しに着手。さらに、求職・求人に関して官民が有する基礎的情報を加工して集約・共有し、キャリアコンサルタントがその基礎的情報に基づいて働く人々のキャリアアップや転職の相談に応じられる体制整備に取り組む。

 これらの労働市場改革を進める際は、官民でその進捗を確認しながら計画的にブラッシュアップしていく考えだ。

経産省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」など始動

 労働市場改革とリスキリングをキーワードにした具体的な新規事業はスタートしている。労働者派遣事業者と民間職業紹介事業者を対象とした...


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