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2012年3月 6日

最大規模のワークショップで活発議論  東京で人材派遣業の国際団体「Ciett」

  人材派遣業の国際団体である「Ciett」(シエット、国際人材派遣事業団体連合)のアジア地区「リージョナルワークショップ」が6日、東京国際フォーラムで開かれた。業界関係者約600人が参加するCiettの地域最大規模のワークショップとなった=写真。Ciettに加盟する日本人材派遣協会の主催。

n120306.jpg Ciettが昨年10月に発表した調査リポート「変化に適合する」を基に、パネルディスカッションなどを通して、変化する労働市場における人材派遣業界の役割について議論した。ワークショップは世界各地区で開かれており、今年はアジア地区の日本がトップバッターとなった。

 長嶋由紀子・Ciett北アジア地域代表(派遣協理事長)が開会あいさつ。昨年3月の東日本大震災の犠牲者に向けて全員で黙とうした後、長嶋氏は「震災後、厚生労働大臣から要請を受け、協会では加盟企業が総力を挙げて被災地で2万人余り(今年1月末)の雇用機会を創出した。業界の社会的な意義を見い出し、発揮できたのではないか」と強調した。

 坂本仁司・派遣協会長は「08年のリーマン・ショック以降、派遣に対して感情論が先行してきたが、今日はエビデンス(事実)に基づいた冷静な議論の機会ととらえ、規制について考えたい」とあいさつした。

 続いて、来日したフレッド・ファン・ハーステレンCiett 本部会長が来賓としてあいさつし、「リーマン・ショックによって世界で3000万人が失職したが、我々は130万人の雇用を提供した。“派遣は不安定な仕事”という認識をそのまま認めるつもりはなく、正規雇用への架け橋として大きな社会的意義を持っている」とアピールした。

 この後、デニス・ペネルCiett 専務理事が同リポートに基づいて基調講演。リポートのキーメッセージとして「グローバリゼーション」「人口動態の変化」「労働への姿勢の変化」などを挙げ、労働市場にとって「増大する技能の需給ミスマッチ」などが新たな課題になっていると指摘した。

 さらに、リーマン・ショック後は派遣を活用した企業の業績回復が早かったこと、欧州では派遣は(正規)雇用への足掛かりになっていること、派遣労働者の派遣選択は積極的な理由が中心であることなど、日本と異なる事実や制度など興味深い内容を披露した。

 後半はパネルディスカッション「日本の労働市場の変化と人材派遣業界の役割」が行われ、八代尚宏・国際基督教大学客員教授を進行役にアンネマリー・ムンツEuro-Ciett 会長をはじめ、内外専門家6人による活発な議論が展開され、日本の労働者派遣法の改正問題や労働者保護の方法などについて意見を交わした。

 ワークショップ終了後、ハーステレンCiett 本部会長は「私が経験した地域ワークショップの中で最大規模であり、とても有益なディスカッションができた。アジア代表の日本開催を皮切りに世界各地でのワークショップを成功させ、世界が新たな時代に進む中で存在意義をより高めていきたい」と話していた。

 

(基調講演とパネルディスカッションの模様は、後日、「インタビュー&スペシャル」の欄で詳報します)
 

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