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2015年3月31日

「雇用仲介事業の検討会」が初会合、職安法改正の提言の可能性も 問われる厚労省の"当事者意識"と姿勢

 有料職業紹介事業について業態の垣根を越えた柔軟なサービス提供のあり方を検討する、厚生労働省の「雇用仲介事業等の在り方に関する検討会」が31日、初会合を開いた=写真。昨年6月に閣議決定された「規制改革実施計画」に「有料職業紹介事業等の見直しについて、2014年度に検討を開始する」と明記されたことに伴う対応。現行の有料職業紹介事業に対する規制の整理・統一や、実際には一貫性のある業態が「縦割り」の制度となっている弊害の改善などを検討していく。最終的には、職業安定法の見直しにおよぶ可能性があり、注目されている。

n150331.jpg 初会合では、学識経験者らで構成する委員7人の中から、中央大学経済学部の阿部正浩教授を座長に選んだ。初会合の自由討議では、各委員が積極的かつ示唆に富んだ活発な意見を交わし、「単なる規制の見直し一辺倒ではなく、悪質事業者の排除を含めた求職者視点の利便性向上と課題の掘り下げ。かつ、制度改善に向けた方策の『最適解』にこぎ着けよう」とする問題意識と熱意がうかがわれた。

 一方で、同検討会に限らず、ここ2年ほど厚労省の有識者による検討会や研究会の設置理由として「政府の閣議決定に記されたから」といった受け身の姿勢が目立つ。つまり、労働行政において現在の制度と現場のかい離した部分、または規制の足りない点などについて、最も認識しているはずの「厚労省の当事者意識と積極性の希薄さ」が透けて見える。

 厚労省の役割、建付けに起因していることも否定できないが、今回の検討会のテーブルは委員の顔ぶれをはじめ、今後の日本の健全な就労マッチングサービスの発展、雇用促進に重要な提言があがると期待されるだけに、「政府から降ってきた宿題に応じるだけの省としての“時間稼ぎ”」に帰着しないよう、事務局である厚労省の覚悟と意気込みが問われる。

職業紹介事業に関する最新のアンケート調査結果(概要)を提示

 同検討会の委員は、座長に就いた阿部教授をはじめ、▽日本大学大学院総合科学研究科の安藤至大准教授、▽リクルートワークス研究所の大久保幸夫所長、▽早稲田大学法学学術院の竹内(奥野)寿教授、▽ニッセイ基礎研究所生活研究部の松浦民恵主任研究員、▽大阪大学大学院高等司法研究科の水島郁子教授、▽東京大学社会科学研究所の水町勇一郎教授――の7人。この日は、厚労省が昨年末から年始にかけて実施した「職業紹介事業に関するアンケート調査結果」の概要が示され...

 

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