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2015年7月14日

人材不足にどう対応?中村、川端両氏が講演  第3回派遣・請負問題勉強会

n150714_1.jpg 2015年第3回派遣・請負問題勉強会(NPO法人人材派遣・請負会社のためのサポートセンター主催、アドバンスニュース協賛)が14日、東京・両国のホテルで開かれた。この日はリクルートワークス研究所の中村天江(あきえ)主任研究員が「2025年の労働市場を展望する~その時、人材サービス産業は?」、東北大学大学院経済学研究科の川端望教授が「人材獲得競争における世界・中国・日本~IT産業で起こっていること」と題して講演した。

n150714_2.jpg 中村氏は、全団塊の世代が後期高齢者の仲間入りをする2025年の日本は、人口減と高齢化を背景に人材不足に見舞われると見通し、雇用機会の喪失と失業者の増加による経済停滞の「衰退シナリオ」と、年齢を重ねても働き続けられる就業者の増加によって経済が活性化する「繁栄シナリオ」の二つを予測。多様な人材活用、人材獲得リテンションの強化、長期的なキャリア形成支援などを通じ、人材サービス業が「働き方の変革エージェント」として機能することで「繁栄シナリオ」を実現できる可能性を示唆した。

n150714_3.jpg 川端氏は、日本のIT・通信分野の技術系人材が大量に不足している実態を説明。その理由として、大規模システム開発の集中などの需要側要因と同時に、非正規労働者の増加にみられる企業の人材育成機能の低下を挙げた。

 そのうえで、中国大連市の大胆な外国人材の獲得政策を紹介し、日本のIT職場の魅力不足、外国人材の採用の不安定、IT分野のミスマッチなどが要因として、企業内訓練に依存しない、ポータブル技能を育成する教育・訓練システム、より高度なオフショアに向けて日本・中国・東南アジアを一体にした人材確保などの必要性を強調した。

 次回の第4回勉強会は10月13日、「雇用改革の議論の行方と人材サービス産業の役割・課題」(仮)と題して、労働政策研究・研修機構の濱口桂一郎主席統括研究員ら3人を講師に予定している。

 

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