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2018年5月25日

17年度は9.7万件、9年連続増  ハローワーク経由の障害者就職件数

 厚生労働省が25日発表した2017年度「障害者の職業紹介状況」によると、ハローワークを通じた障害者の就職件数は9万7814件(前年度比4.9%増)となり、09年度から9年連続で増えて過去最高となった。新規の求職申し込み件数が20万2143件(同5.4%増)と大きく伸びたことから、就職率は48.4%で同0.2ポイント低下した。

 就職件数の内訳は身体障害者が2万6756件(同0.7%減)、知的障害者が2万987件(同3.2%増)、精神障害者が4万5064件(同8.9%増)などとなり、精神障害者の伸びが加速している。今年4月から精神障害者が法定雇用率の算定対象に加わったことから、18年度はさらに増えると予想される。解雇者は2272人で、前年より937人と大幅に増えた。理由は「事業の廃止」が最も多い1583人となっている。

 産業別では前年と同様、「医療・福祉」が3万5566件で最多の36%を占め、「製造業」が1万3595件(14%)、「卸・小売業」が1万2412件(13%)となった。職業別では「運搬・清掃・包装など」が3万3767件で35%を占め、「事務」が2万282件の21%、この2業種で過半数を超えている。

 一方、就労継続支援A型事業所(障害者と事業所が雇用契約を結ぶ施設)への就職件数は2万891件で、前年より716人、3.3%減少した。放漫経営や助成金の厳格化などによる事業所の閉鎖が主要因とみられる。

 


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