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2020年1月10日

職場のパワハラにどう取り組むか 労政フォーラムで典型例、好事例など

n200110_2.jpg 労働政策研究・研修機構は10日、都内で労働政策フォーラム「職場のパワーハラスメントを考える」を開いた=写真。6月からパワハラ防止指針が施行されることもあって企業側の関心は高く、会場は人事担当者らで埋まった。

 望月知子・山口県宇部市政策広報室長(前同機構統括研究員)が「職場のパワハラに関するヒアリング調査」結果を解説し、調査対象企業のほとんどが就業規則などで各種ハラスメントを禁止しているが、取り組みは経営者らの熱意に支えられている点が大きいことなどを報告した。

 事例報告では、松井健・UAゼンセン政策・労働条件局長▽越野智昭・丸文通商管理本部長▽戸谷和彦・東京労働局雇用環境・均等部指導課長の3人が、それぞれの立場からパワハラ対策への取り組みを説明した。

 松井氏は流通・サービス業界の多いUAゼンセンにとって、顧客らからのカスタマーハラスメントが深刻なテーマになっている実態を紹介。消費者による正当なクレームと悪質クレームを区分けする体制整備を説明した。越野氏は、経営トップによる「ハラスメント防止方針」に基づき、健康経営の推進がパワハラ撲滅に威力を発揮していると強調。戸谷氏は、同労働局に寄せられたパワハラ事案のうち、典型的な3件について具体的に解説し、パワハラに該当しないような事例も多いことを示した上で、指針の施行によってパワハラについても従来の「あっせん」から法的な「調停」に持ち込めることになった点を評価した。

 パネルディカッションでは、司会役の濱口桂一郎・同機構研究所長が「職場のパワハラは日本だけでなく、欧米でも問題になっており、日本のメンバーシップ型の雇用形態にのみ原因があるわけではない」と補足した。

 

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