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2021年1月 7日

昨年11月給与、8カ月連続減少 背景にコロナ感染急増、毎勤統計速報

 厚生労働省が7日発表した毎月勤労統計の昨年11月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は27万9095円(前年同月比2.2%減)となり、8カ月連続で前年を下回った。減少幅も6月の2.0%減以来の2%台に拡大した。物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(2015年=100)も87.0(同1.1%減)で、9カ月連続のマイナスとなった。

 内訳は、基本給の所定内給与は24万5779円(同0.1%増)だったが、残業代などの所定外給与が1万8184円(同10.3%減)となり、4月以来の8カ月連続の二ケタ減。昨夏以降、企業活動は徐々に回復しているものの、労働時間の減少による残業代の減少は依然として続いている。

 就業形態別の給与総額は一般労働者(フルタイム勤務)が36万2224円(同2.4%減)でマイナスが続いており、パートタイム労働者も9万8586円(同1.3%減)となり、10月のプラスから再びマイナスとなった。11月のパートの残業代は2629円(同16.2%減)で、依然として大きな落ち込み幅になっている。11月からの新型コロナ感染の急増が背景にあるとみられる。

 業種別で給与総額の減少幅が大きいのは鉱業・採石業等の同14.4%減、運輸・郵便業の同8.0%減、飲食サービス業の同7.7%減など。一方、不動産・物品賃貸業は同4.0%増、教育・学習支援業も同2.9%増と増えている。

 総実労働時間は138.4時間(同2.5%減)で、10月の9カ月ぶり増から再び減少。所定内時間が128.6時間(同2.0%減)と減少し、残業などの所定外労働時間も9.8時間(同9.3%減)と減少が続いている。月末の常用雇用者は5161.6万人(同0.6%増)で、パートタイム比率は31.62%(同0.10ポイント減)と10カ月連続で低下している。

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