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2022年6月24日

医療・福祉の精神障害が大幅増 厚労省の21年度労災補償

 厚生労働省が24日発表した2021年度「過労死等の労災補償状況」によると、労災請求件数は3099件(前年度比264件増)で、うち支給決定件数は801件(同1件減)だった。801件のうち死亡件数は136件(同12件減)に減少した。

 労災のうち、脳・心臓疾患の請求件数は753件(同31件減)で、そのうち業務上と認定した支給決定件数は172件(同22件減)となり、認定率は32.8%(同3.6ポイント増)となった。

 このうち死亡事故も請求件数が173件(同32件減)、決定件数は169件(同42件減)、支給決定件数は57件(同10件減)、認定率は33.7%(同1.9ポイント増)となった。

 精神障害の労災補償は請求件数が2346件(同295件増)、決定件数が1953件(同47件増)、支給決定件数が629件(同21件増)と増え、認定率は32.2%(同0.3ポイント増)となった。

 請求件数、決定件数とも前年度より大きく増え、理由は「上司とのトラブル」「上司らのパワハラ」など対人関係が多数を占めている。業種では「医療・福祉」の「社会保険、社会福祉、介護事業」が最も多かった。

 このうち、自殺(未遂を含む)は請求件数が171件(同16件増)、決定件数が167件(同12件減)、支給決定件数が79件(同2件減)、認定率は47.3%(同2.0ポイント増)と増えた。

 一方、裁量労働制下の就労者の労災は決定件数が脳・心臓疾患で4件、精神障害で16件。うち支給決定件数は各2件、7件だった。


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