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2023年9月 7日

飲食業の倒産、8月で累計569件 昨年の年間抜き急増、東商リサーチ

 東京商工リサーチが7日発表した今年の飲食業倒産(負債1000万円以上)が8月で569件、負債総額642億9800万円に達し、22年の年間件数である522件を上回った。このペースが続くと20年の842件を抜いて過去最多の850件に達する可能性も出ている。

 業種別に件数をみると、「食堂、レストラン」が140件で最も多く、「専門料理店」が130件、「酒場、ビアホール」が118件で続いている。また、「宅配飲食サービス」が前年同期の3倍の41件に急増、「持ち帰り飲食サービス」も27件で2.5倍に増えている。

 同社によると、新型コロナ下では政府などの手厚い資金繰り支援によって倒産は抑えられたものの、今年になってコロナ後に向けた支援策が相次ぎ終了した。さらに、売り上げがコロナ前に戻っている所はまだ3割程度で、人手不足に伴う人件費高騰や食材・光熱費のコスト上昇が追い打ちをかけていることが行き詰まりの要因という。結果的に、「コロナ支援」がムダだったことになる。

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