厚生労働省が29日に発表した10月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.25倍だった。5月以降は1.23~1.24倍で推移していたものの、8月の1.23倍を底に2カ月連続で上昇が続いている。賃上げなどの待遇改善を背景にした企業の新規求人が増えている。
企業側の有効求人数約244万人(原数値、前年同月比2.8%減)に対して、有効求職者数は約192万人(同0.1%増)。都道府県別(就業地別)の倍率は福井県の1.94倍が最高で、最低は北海道と大阪府の1.06倍だった。
新規求人倍率は前月比0.02ポイント上昇の2.24倍。新規求人数(原数値)は前年同月比1.2%の増加。産業別では「学術研究、専門・技術サービス」が同8.9%増、「情報通信」が同6.4%増、「医療、福祉」が同3.4%増だった一方、「宿泊、飲食サービス」が同6.5%減、「教育、学習支援」が同4.9%減。全11産業のうち6産業でマイナスだったが、8、9月よりはやや求人数が増えている。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.02倍だった。
10月完全失業率は2.5%、3カ月ぶり上昇
総務省が29日発表した10月の就業者数は6813万人で、前年同月比42万人増と27カ月連続の増加。完全失業者は170万人の同5万人減で、3カ月連続の減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント上昇の2.5%と、3カ月ぶりに上昇した。今年は年初から2.4~2.6%の間で推移しており、7月は一時的に2.7%に上昇したものの、その後は雇用増などで再び2.4~2.5%の小動きで推移している。
男女別では男性が2.8%、女性が2.1%で、男性は前月比0.1ポイント上昇、女性は同水準だった。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5832万人のうち、正規従業員は3688万人(前年同月比77万人増)で12カ月連続の増加。これに対して非正規従業員は2144万人(同4万人増)と増え、非正規比率は36.8%(同0.4ポイント低下)となった。
非正規の内訳はパートが1012万人(同6万人減)、アルバイトが499万人(同17万人増)、契約が278万人(同4万人減)、派遣が163万人(同4万人増)、嘱託が106万人(同7万人減)となり、アルバイトの増加が目立った。