日本人材派遣協会(JASSA・川崎健一郎会長)は18日、オンライン形式で2025年度定時総会を開いた。派遣社員への直接的な支援として実施している派遣社員向けセミナーを通じ、派遣社員の現場の声やニーズなどを反映した「キャリア形成支援サービス」の強化・拡充を確認した。また、新たな取り組みとして「大学生が考える2050年の派遣業界」をテーマに、大学のゼミと人口動態や派遣市場に関するデータ分析、事例の共同研究を展開し、未来の派遣業界のあり方を社会や行政に提言していく方針だ。
派遣社員のキャリア形成支援関連の具体策として、「JASSAキャリアカレッジ」の安定稼働に加え、派遣社員と会員企業のニーズを踏まえて必要なコンテンツやスマホ版の機能を追加していくほか、営業やコーディネーターの支援スキルの向上を支援する「キャリアカウンセリング・スキルアップセミナー」を実施する。情報提供・広報関連としては、派遣業界の果たしている役割の正しい認知によるポジティブなイメージ形成を目的に、重点事業の位置づけで積極的に取り組む。
このほか、関係団体との連携・渉外事業として、厚生労働省との定期会合の継続で派遣業界の状況や活動などを伝え、必要に応じ要望も行う。また、会員企業の地域協議会に助成金を給付し、セミナーや新規会員の勧誘、地域社会と各ステークホルダーとの連携活動などを支援する。
総会後の特別セミナーでは、厚生労働省需給調整事業課の中嶋章浩課長が「労働力需給調整事業の現状と課題」と題して講演。「最近の労働市場の動向・取り巻く状況」「職業紹介事業や募集情報等提供事業に関わる動き」「労働者派遣制度に関わる動き」「三位一体の労働市場改革、情報基盤の整備」について、最新動向や事業者が押さえておくべき法制の要所などをわかりすく解説した。
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