東京商工リサーチが8日発表した上場企業の「早期・希望退職」募集状況によると、今年1~8月で31社(前年同期比10社減)、対象者1万108人(同2824人増)となり、件数は減ったが、人数は大きく増え、昨年の年間数1万9人を上回った。
パナソニックが国内5000人、ジャパンディスプレイが1500人の大型削減を公表したほか、日清紡、NIPPON EXPRESS(日本通運)といった業績堅調企業でも中長期的な競争力強化に向けて募集。日産自動車は世界で2万人削減を予定しているが、国内分はまだ公表していない。業種では「電気機器」が13社、7766人とダントツに多く、6割が最終黒字企業。
同社は、「トランプ関税に対する輸出産業による予防的削減も現実味を帯び、製造業などが事業部門の閉鎖や工場再編、間接部門の削減に踏み切るなど、今後も大型募集が相次ぐ可能性もある」と予測している。