パーソル総合研究所が11日発表した「ニッポンのはたらく地図2025」調査によると、「はたらく」の関連指標ランキングでは労働力、生産性などの指標では東京都や神奈川県の都市圏が上位だった一方、はたらく幸福や健康志向などの指標では福井県、沖縄県などの地方圏が上位となった。同社は「経済的な強さを持つ地域ほど、個人のウエルビーイング(幸福・健康)との両立が難しい傾向にある」と分析している。
指標は労働市場(労働力不足、人材マッチング、生産性)、多様性(女性活躍、シニア活躍、外国人活躍)、働き方(はたらく幸福、はたらく健康、はたらく柔軟性)の9指標。都道府県別オープンデータと同社の「働き方と就業意識調査」データを組み合わせて作成した。
「労働市場」では東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉、福岡などの大都市を抱える都府県が上位を占めたが、「多様性」では山梨、高知、鹿児島県など、「働き方」では福井、沖縄、島根、熊本などの地方県が上位を占めた。
これらの傾向を基に、同研究所は47都道府県を類型化して八つのエリアに整理。「空洞的労働市場」(女性活躍、シニア活躍以外の全指標が下位)として青森、秋田など4県を、「内向的労働環境」(女性・シニア活躍は上位、外国人は下位)として福井、鳥取など7県を挙げるなど、都道府県別の特性と課題を浮き彫りにした。